朋友クリニック

頭痛

二次性頭痛

「普段は頭痛なんてないのに」とか、「いつもの頭痛とちょっと違うな」とか、「いつもなら頭痛薬ですぐ治まるのに今回は治まらないな」といった症状があれば、要注意です。危険な頭痛のシグナルかもしれません。『二次性頭痛』の中には、放っておくと命に関わる場合もありますので、手遅れになる前に精密検査を受け、早期発見・早期対処をお勧め致します。こちらでは『二次性頭痛』の分類・特徴を述べたいと思います。

脳腫瘍

脳や脳をとりまく組織で異常細胞が抑制なく増殖する腫瘍の総称で、人口10万人に対して約10人の発生頻度といわれています。大きく分けると、頭蓋内の細胞成分から発生する原発性脳腫瘍と、頭蓋外の異常細胞が血液に乗って頭蓋内に運ばれ定着し増殖していく転移性脳腫瘍があります。また異常細胞の悪性度によって良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられ、予後も大きく異なってきます。

一般的な脳腫瘍の頭痛は、何ヶ月もかけてだんだん痛みが増して来る特徴があります。これは腫瘍そのものの増大による頭痛と、腫瘍の増大により水頭症を来たし、頭蓋内圧が上昇するために起こる頭痛などがあります。また頭痛の発症時間も特徴的で、朝方に突然の嘔吐を伴うことが多く、腫瘍が小さいうちは無症状のことも多いのですが、腫瘍が発生する部位によっては例え小さくても早期から頭痛が起こることもあります。このような頭痛を経験したら是非検査を受けましょう。もちろん、手足のまひやしびれ、ろれつがまわらない、めまい、けいれん、目の症状などを伴うこともありますので、ご用心下さい。

クモ膜下出血

『脳卒中』の『クモ膜下出血』をご参照下さい。

脳出血

『脳卒中』の『脳出血』をご参照下さい。

もやもや病

脳の太い血管が狭くなることにより、血流を補おうとして新たに血管(もやもや血管)が新生するのですが、この血管は細く弱いため、詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血)して発症します。お子さんは頭痛で発症することが多く、また熱いラーメンなどを「フーフー」して冷ます時や、笛・ハーモニカを吹いたり、大声で歌ったり泣いたり、全力疾走した時など、通常より過度の呼吸を行う(過呼吸状態)ことによりけいれんや失神で発症することもあります。治療はバイパス術で脳梗塞を予防するのが一般的ですが、脳出血に対しての予防効果はまだ証明されておりません。

脳動静脈奇形

『奇形』という名のごとく、脳の血管の先天性異常で、動脈から直接静脈へ『ナイダス』という血管の塊を介して血液が大量に流入するため、奇形周囲の血流低下や脆弱な奇形血管の破綻による脳出血やクモ膜下出血を来たすことがあります。出血時には突然の激しい頭痛と嘔吐を伴うことが多く、部位によっては手足のまひやしびれ、ろれつがまわらない、めまい、目の症状などで発症します。出血以外の症状としては、慢性的な片頭痛様の頭痛やけいれんなどがあります。治療は大きさや部位により開頭手術や血管内手術、ガンマナイフなどが選択されます。

椎骨動脈解離

頚椎(首の骨)の中を通って脳内に血流を送る椎骨動脈が裂ける際に、急激に発症する首筋から後頭部にかけての痛みが数日間持続します。動脈硬化などの危険因子を持たない30-50歳代の男性に多く、カイロプラクティックや首に負担のかかるスポーツや運動、軽微な外傷などが引き金になる場合(外傷性)と、明らかな原因が不明な場合(非外傷性)があります。痛みの後に引き続いて脳梗塞やクモ膜下出血を発症することがありますので、血圧管理を中心として脳梗塞やクモ膜下出血に準じた治療が行われます。

髄膜炎

脳や脊髄の表面をおおっている髄膜に、ウイルスや細菌、真菌、結核菌などが感染し、頭痛、発熱、嘔吐のような風邪症状から始まり、けいれん、さらに重症化すると意識ももうろうとしてきます。治療はウイルス性の場合は自然に軽快するため解熱鎮痛剤と輸液で症状が落ち着くのを待ちますが、細菌や真菌、結核菌などが原因の場合は速やかに適切な抗菌剤を投与しなければ生命を脅かすこともあります。

脳脊髄液減少症

脳や脊髄の周りを循環している脳脊髄液が何らかの原因で外に漏れ出るために、脳脊髄液が減少し、起立性頭痛(起き上がると痛み、横になると治まる)やめまい、耳鳴りなどの症状が起こります。治療はベッド上安静と十分な水分補給で良くなることが多いのですが、難治性の場合はブラッドパッチ(自己血液を腰から注入する)を行うこともあります。

Barre-Lieou症候群

諸説ありますが、頚部の交感神経が過度に緊張することにより、頭痛、吐き気、めまい、耳鳴り、聴力低下、眼精疲労などの症状が起こるといわれています。前屈姿勢や頚部への過度の負荷・冷却、体力の減退などで症状が誘発されますので、頚椎のレントゲンで生理的な前弯が消失し、ストレートネックやスワンネックを指摘されたら、頭部から頚部にかけての姿勢にも注意しましょう。

副鼻腔炎

一般的には『蓄膿症』で知られ、目や鼻の周囲にある4つの骨の空洞(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞)内の粘膜にウイルスや細菌が感染し、炎症が起こることによって頭痛や目・鼻周囲の痛み、鼻汁、鼻づまりなどの症状が見られます。抗生剤や蛋白分解酵素、消炎鎮痛剤などの内服で治療します。

他、『緑内障』や『中耳炎』、『顎関節症』も頭痛の原因となりますので、お心当たりのある方は、各専門医への受診をお勧め致します。

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